電子書籍

個人的には、電子書籍が読みたいと思っている。空いた時間 (電車待ってる間とか) でさくっと本をゲットして、ひまな時間 (電車乗ってる間とか) で気軽に本を読む、というスタイルは、紙の書籍ではできないことだから。が、現実は寒い。

普及のポイント

電子書籍の普及を左右する要素には、大きく分けると「ハード」と「オンライン書店」の 2 つしかない。その両方で、通常の書籍並みの手軽さを実現しないとダメだ。費用を考えずに言うなら、

  • うすくて軽くて通信能力あり (LAN or 携帯電話回線) な端末を作成。操作を単純にする……というか、「操作している」という意識をユーザに抱かせないくらい、扱いやすくする。
  • その端末を、1 台数千円で販売 (できれば、2000〜3000 位でコンビニとかに置く)。各地の図書館や学校に大量寄贈。通信にかかる費用はサービス提供者側が持つ (書籍データの代金に含める)。
  • 端末の内表紙部分を開くと、オンライン書店に自動で接続。「書棚」が一覧表示され、読みたい本を探す。読みたい本を選んで「購入」すれば、すぐに読み始めることができる。

というくらいやれば、すぐに普及すると思う。
逆にいえば、現状の電子書籍サービスはまるっきり程遠い。

  • 端末は数万円。PDA や電子手帳のかたち。持ってる人を探そうとしてもまずいない。
  • PHSADSL などで通信費用を既に払っている人が、PC や端末でネットワークの設定をしてオンライン書店に接続。
  • 端末やソフトによってオンライン書店は別々 (出版社って、よくまぁホイホイそれぞれのフォーマットにちゃんと対応するよね。そんなに立場弱いのだろうか)。各サイトは見づらい。品揃えも貧弱で、ごく一部の「最近話題になった本」を除けば、古典、自己啓発本、読者の限定されるシリーズものくらいしかない。

聞いた話では、「紙の書籍を買ってきてドキュメントスキャナにかける」という手段で、自前の電子書籍を作ってる人もいるという。電子書籍サービスを提供している人たちは、恥じるべきだ。

例えば……

シャープの PDA 旧機種に SL-A300 という軽いのがある。これくらいの端末に無線 LAN を内蔵させて、無線 LAN サービス (既存無線 LAN サービスに乗っかればいい) 経由でオンライン書店に接続できるようにする。内蔵ソフトはブンコビューア・改 (オンライン書店ブラウザを内蔵。後述の新フォーマットに対応) のみ。Web ブラウザとかメーラとかいらないから。メモリ容量や液晶はできれば改善してほしいところだが。で、端末の値段は 1 万円以内に抑える。
出版社側が書籍データのフォーマットを統一して (つまり、ある程度出版社側に都合のいいフォーマットにして)、とにかく品揃えを増やす。「普通の書店にある本は電子書籍でもあります」くらいの勢いで。
無線 LAN スポットは現状だとまだ少ないが、電子書籍サービスがちゃんと普及すれば、無線 LAN スポットも必須インフラとして増えるから大丈夫。各地の駅に小規模の無線 LAN アクセスポイントを置くだけでもいいんだし。自前の回線を使いたいパワーユーザには、別途オプションとして手段を提供すればいい。

現状

ちなみに、4 月にサービスを始めた会社が考えているのは、こんな感じだ。

ITmedia ライフスタイル - 電子書籍市場は離陸したか? Timebook Townの取り組み
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0411/05/news053.html

つまり、コアユーザとなるのは、「電子ブックで本を読むことが、おしゃれで面白い」と思っちゃうような勘違い屋さんで、Office 文書が読めると便利だと考えるようなサラリーマンで、4 万する端末で年に数十冊の書籍を読むのが楽しいと思っちゃう無駄富豪ってことですか。うわぁ、超ニッチ!