クオリア質問クローズ

昨日見つけた「赤い色が……」の質問 (question:1121527958)、今見たら終了になっていた。
覚えたての言葉で質問者の意図を要約すると、

  • クオリアはどこで、どういう仕組みで生じているのか?

ということだと思う。だとすると、回答者のほとんどは回答がずれているような気がする。
僕自身、昨日の日記で

というネタを含めてしまったけど、これは今回の質問とは別だ (関連はしてるけど)。したがって、回答やトラックバックの中にいくつかある

  • 赤いものに対してあなたが感じるクオリアと別の人が感じるクオリアは同じとは限りませんよ。

というのは、今回の質問 question:1121527958 に対する回答にはなってない。
で。他の回答を見てると、

  • LSD などを服用すると、ものが別の色に見えることがある。
  • 私は左右の目で別の色が見える。

などとあることからも、

  • 外界からの刺激 (音や光など)→知覚神経系→脳での情報処理→???→クオリア

という順番でクオリアが生じることは間違いないと思う。で、この経路の途中で何らかのエラーがあると、同じ入力情報から違うクオリアが発生したりするわけだ。一方、今回の質問に答えるためには、上の経路の「???」以降を考えなければならない。
もちろん、最終的には「こうなんですよ」と断言することは今のところできそうにないが、質問者のコメントを見ていると、そのためのヒントになるような回答であれば高ポイントを返している感じだ。ふむー。

以下、妄想

プログラマーな僕としては、脳での処理結果をクオリアに "マッピング" するような仕組みが何かあるのでは、とか考えてしまう (上の経路の「???」のところに)。そして、回答のうち、遺伝や認識に絡んでいるものは、そのマッピング機構 (脳の信号処理結果をクオリア発生源に伝えるという意味では、ブリッジ機構といってもいい) の形成に関係しているのではないか、という観点から読んだ。例えば、

  • 赤=危険なものがよくもつ色を、ハッとするようなクオリアマッピングできた種が生存に有利だったので生存しやすかったのかも! (回答 #20)
  • 種によってマッピング機構の挙動・性能が違うために、同じような知覚器官を持っていても、認識できる色の範囲が違うのかも! (回答 #63)
  • 乳幼児期に受けた刺激でその後認識できる範囲が変わる (回答 #17) のは、知覚神経系の発達が乳幼児に決まるという可能性の他に、マッピング機構の発達がその時期に大きく左右される可能性もあるかも! だとすると、生まれたときから個人が感じられるクオリアが決まっているわけじゃないのかも! (これが正しいとすると、「自分と他人のクオリアはまず間違いなく違います」ということになる)

あ、回答 #32 で紹介されているのって、これに似たようなモデルを前提にしてロボット作る話だったりするのかな?

わっぱよくワカンネ

ついでにその他の疑問も書いちゃうと、とりあえず今思いつくのは、

  • ふだん、五感のそれぞれからは別種のクオリアが生じているように思える。例えば、周りがうるさすぎて目が見えなくなったりはしない。脳のレベルでは、別の場所で処理しているからだ、ということになるが、そこから生じるクオリアがごっちゃにならないのはなんで? あるいは、実際なってるパターンもあるのか? (共感覚が、脳での情報処理の混乱じゃなくてクオリアレベルでの混乱だったり?)
  • 人間から見ると、「高等生物」であればあるほど感情が豊かに見えたりするが、これってクオリア関係あり?
  • 異星人はどうなんだろう?
  • ここまで「クオリアが生じる」というような言い回しを使っているが、これは適切なんだろうか?
  • ここまで、脳の情報処理とクオリアが生じるのを別レベル扱いして、何らかの機構が橋渡ししているという妄想をしてきたけど、それは結局あってるの?

というあたり。このあたりは、「わかりようがありません」じゃなくて、科学的な手法である程度調べられるような気がする。

あー

  • 自分にしては無駄に長文書いたようなつもりだったけど、「感覚的クオリア」ってのしか扱えてないな。
  • ていうか、結局クオリアがどこで生まれるのかについてはまるっきり書いてないな僕。

教えてエラい人

なんかこの辺の本とか読みたいな。さいわい、今回の質問で、いくつか本が紹介されているので、気が向いたら読んでみようっと。