W3C 文書を翻訳する場合に必要な表示

W3C が公開している勧告などの文書は、主に有志 (個人・企業) によって日本語に翻訳されている。
この時、翻訳版に入れておかなければならない表示というのがある。W3C の翻訳ガイドラインにも載っているが、翻訳者向けメーリングリストで追加情報が流れていたので、メモしておく。

今回提示されたガイドライン

翻訳にあたっては、以下の項目を明記する必要がある。文書の一番上に記載するのが望ましい。翻訳先の言語 (日本語訳なら日本語) で記述してかまわない。

  1. オリジナル文書の URI とステータス (status)
  2. 正式な (normative) 仕様は W3C サイトにある英語版であることを明記
  3. 翻訳版には誤訳がある可能性と、英語版を正しいもの (authoritative) とする旨を明記
  4. 翻訳者名と翻訳した日付 (メールアドレスや Web サイトへのリンクをつけてもよい)

英語版文書に入っているオリジナルの著作権表示は、同じ場所に英語のまま
残さなければならない。翻訳先の言語に訳した著作権表示をもとの英語版と併記するかたちで
記載してもかまわないが、法的に有効なのは英語版の著作権表示のみである。

追加点

今回新たに明確化されたのは、著作権表示の扱い。訳してもいいけど元の英語のも残してね、というのがポイント。
翻訳者名を追加するのはアリらしい。その場合は、英語で書かれた著作権表示の途中に挿入する。下記は例。

Copyright of the original © 2004-2006 W3C® (MIT, ERCIM, Keio), All Rights Reserved. Translated by [ここに翻訳者名]. W3C liability, trademark and document use rules apply for the original and the translation."

なお、今回提示された条件は、今後の翻訳に適用される。既存の翻訳文書については、「違ってたらできれば直してね」というレベルのようだ。