ゲームが好きなら全部読め!? 『電撃ゲームス』創刊

東京ゲームショウも 2 日目。各メーカーブースの様子や新作発表、Wii の値下げなど、様々なニュースが報じられているわけですが、そんな中、一冊のゲーム雑誌が創刊されました。
雑誌名は『電撃ゲームス』。今日発売された Vol.1 は、厚さが 2cm ほどあります。MH3 等の攻略記事が載った付録冊子も付いており、本屋で見かけて「なんだこの分厚いのは」と気になった方もいるのでは。

以下、買ってざっと読んでみた感想をメモしてみようと思います。先に言っておくと、僕は関係者にプッシュされて買った人なので、その分はお好きに割り引くなり割り増すなりしてお読みください。

どんな内容?

上にも書いたように、まずとにかく分厚い。ほぼ全ページカラーで、338 ページあります。学者でなくとも背表紙の角で人が殺せそうです。
全体の構成を見ると、「ファイナルファンタジー XIII」の巻頭特集等から始まる 100 ページほどが、FF、DQ、MGS といった大手メーカーの新作情報を集めた「特報」記事。続く 100 ページほどでCoDメガテン、バイオなどの「話題作」を紹介し、残る 100 ページで攻略記事、大小交えた新作情報、読者コーナー等となっています。
紙面のフォーマットは電撃PlayStationなど他の電撃系雑誌によく似ているため、ぱっと見だと「ただの分厚いゲーム雑誌ってだけ?」と思ってしまいそうです。

どんなスタンス?


そんな電撃ゲームスの編集方針を端的に表しているのが、目次の下にある、今号で扱っているゲーム名の一覧です。
画像だとちょっと見づらいですが、色付きの帯のところに機種名が書かれており、その下に機種別のゲーム名が並んでいます。先頭から順に

となっているのですが、見てほしいのは機種ごとの項目数。現世代のコンシューマ機 (DS/Wii/PSP/PS3/Xbox 360) で見ると、どれも同じくらいになっているのがおわかり頂けるでしょうか。PSP がちょっと多めだったり、他のプラットフォームだとぐっと少なくなってはいますが、特定の機種向けに作ろうとしているわけではなさそうですよね。
実は今回の『電撃ゲームス Vol.1』、表紙の一番上にもこんなキャッチフレーズが掲げられています。

DS・PS3PSPWiiXbox 360・アーケード・PC・モバイルなど全方位対応

よく考えると、雑誌名の『ゲームス』っていうのも、細かいことは言わずにゲーム全部! って感じですしね。

こんなのがほしかったのかも

思えばここ数年、ゲームの世界は以前と大きく異なる姿に変わってしまいました。据え置きでは 3 機種が、携帯機でも 2 機種が並び立っています。iPhone を含めた携帯電話向けのゲームも高度になり、一方で PC 向けのネットゲームも普及してきており、かつてのような「とりあえず PS2 を買っておけばたいていのゲームが遊べる」という状況ではなくなってしまいました。
ゲーム好きの身としては、面白そうなゲームをなんとか探していくしかないわけですが、かといって既存の雑誌は特定の機種を中心に扱うものが多く、ネットを見ても「激化するゲーム機戦争。この機種は本体の販売総数が世界で何台」「マルチプラットフォーム対応だけどこっちの機種向けは発売が早くてあっちの機種向けは特典付き」のような情報ばかり注目されがちです。
でも、そうじゃないんだ。僕はゲームが好きなんだ。時間と予算があるのなら、全部の機種で全部のゲームを遊び尽くしたいぐらいなんだ。ゲームを! もっとゲームを!!
こんな風にかすかな苛立ちを抱えているのは僕だけではないはずです。そして、全方位対応を謳う『電撃ゲームス』は、そんなゲームファンが、全機種の新作/注目作品を一気にわしづかみし、ゲーム機戦争がどうだこうだというくだらない論争をしめだして、ただもう純粋にワクワクしながら読むことのできる、まさにゲームファンのためのゲーム雑誌なのではないでしょうか。

でも、お高いんでしょう?

分厚い雑誌にも関わらず、お値段なんと 390 円。ゲーム雑誌は一般的に広告のおかげで安く買えるわけですが、それにしたって安い。
そして、300 ページ以上の分厚い雑誌にも関わらず、どうも月刊で出るらしい。「もし自分が雑誌作る側だったら」と思うと、恐ろしいですね。

ただしこんな人にはお勧めしません

今後どうなるかわからないけど、Vol.1 を見る限り、国内メーカーのゲーム情報が大半です。誤解を恐れずに言うと、「PS2 時代の大手メーカー」の記事が多い。現世代機になってよくなったことのひとつに、海外のゲームが割と積極的に日本でも販売されるようになったってのがあると思うんだけど、「オレもう最近は洋ゲーばっかりやってるよ!!」って人だと、物足りないかもしれないです。
あと、今号は付録に攻略記事の付録が付いてたし、攻略専門のページも 30 ページくらいあるんだけど、メインは新作情報なので、攻略メインで読みたい人にもちょっと物足りないかも。
そうではなく、「攻略メインじゃなくてもいいさ。とにかく今ある新作情報を全部持ってこい! スタッフインタビューもレビューもコラムもだ!」みたいな人なら、『電撃ゲームス』がまさにあなたのためのゲーム雑誌かもしれません。