ATOK 定額版の試用終了

先月インストールしてみた ATOK 定額版の試用期限が終わった。
一旦アンインストールして、Google 日本語入力を試してみることにする。

感想

もっと自宅で日本語を大量に入力するのであれば、ATOK 定額版を利用してもいいかなと思った。ストレスをあまり感じずに入力できた感じは確かにした。ただし、ATOK だったら誤変換が皆無かというと、そんなことはない。誤変換が起きたときに ATOK だと訂正しやすいという評価を聞いたような気もするけど、今回はそこまで試せなかった。そもそも自宅で長めの文章を入力するのなんて、ここで日記を書くくらいだから。
ここで書く文章はプログラミング関連の話題が多いから、複文節変換をうまくこなせることより、一度入力した単語をバンバン補完してくれる Google 日本語入力のようなスタイルの方が合っているような気もする。日常的に Eclipse のコード補完を使っているから、というのもあるけど、それ以上に「技術用語の字面にはあまり意味がない」ということがある。
例えば前回の日記で Java の静的初期化子についてメモを書いたけど、「静的初期化子」のことを「静的な」初期化子だと思って書くことはあまりない。これは英語の static initializer の訳語で、技術系の用語としては static という英単語に「静的な」をあてはめることが多いこともあって「静的初期化子」と呼ばれたりもしているけど、そもそも static initializer という名前になったのは、C 言語に static という予約語があって、JavaC/C++ の文法や予約語を参考にしたから結果として static initializer という名前になっただけであって、実際 static じゃない initializer の名前は dynamic initializer じゃなくて instance initializer なのだ。
……というような理屈を普段はすっ飛ばして「クラスが読み込まれたときに呼び出されるコード」という概念を直接呼ぶために「静的初期化子」という技術用語が作られているわけだから、「静的初期化子」でひとかたまりの文字のようなものだ。したがって最初の 's' を打鍵した時点で、ユーザの頭の中ではその概念を入力することは確定しているわけで、なのにその後

せいてきしょきかし

なんてフルに入力しなければならないのは、無駄以外の何物でもない。だから、技術用語使いまくりの文章を入力する場合、「まぁまずは全部入力してくださいよ。私、複文節変換は得意ですよ」とか言われるよりも、「とにかくかたっぱしから補完候補を提示していくので、使えるのがあったらバンバン確定しちゃってください」というノリでやってくれる方が楽なのではないか。ATOK だって補完ができるけど、何文字も入力してからか、ユーザが Tab を押して催促してからのことだ。設定を変えればなんとかなるのかもしれないが、変えてやっと Google 日本語入力と同じになります、というのでは少額とはいえお金を払う意味がない。

感想 2

もっとも、やや不信感を持った状態で試用を始めた、というのも否定はできない。ATOK ファンの人は ATOK は快適だ快適だって言うけど、誤変換だってするじゃないかと。そんな言うほどすごくはないんでしょきっと、と。
今回の日記は、ついさっきインストールした Google 日本語入力の開発版で入力しているけど (この文章が無駄に長めなのは、Google 日本語の感触確認を兼ねているからだ)、思っていたよりも変換精度が低いような気がしてきた。補完候補も入力を初めてすぐに表示されているような印象があったけど、改めて見てみると、実際には 3 文字分入力してからだ。それに、補完候補が表示されたとしても、その表示を視認して選択するより、打鍵を続けてしまった方が早く終わるような気がしてきた。
自宅ではこの 1 ヶ月 ATOK 定額版を試用していたわけだけど、職場では Google 日本語入力をリリース当初から使っている。にも関わらずいまいち違いに気付かなかったのは、気持ちの上で ATOK を公平に評価していなかったのではないかと言われても反論できない。
とりあえず当面は Google 日本語入力を使ってみることにするけど、どうなるでしょうかねー。