StatusNet 公式クライアントは Titanuim で実装

Twitter から公式クライアントがリリースされて一時期話題になっていたが、オープンソースミニブログエンジンとして知られている StatusNet でも専用のクライアントを開発中らしい。Appcelerator Titanium を使って実装されており、デスクトップ版の対応プラットフォームは、Mac OS X/Linux/Windowsダウンロードページから入手できる。

(左) Identi.ca の Public timeline (右) 別のサーバにも接続可能

自分のアカウントでログインして投稿・閲覧ができるのはもちろんのこと、Public timeline (Identi.ca のトップページとかに出ている、全ユーザの公開) を見たり、検索を行ったりもできる。
ただし、まだバージョン 0.9 ということで、ボタンをクリックしても反応しないことがある等、軽い不具合は残っている模様。

StatusNet とは

Twitter がサービス (サイト) の名前であるのに対し、StatusNet はミニブログサービスを自分で運営するためのソフトウェアの名前だ。自分でサーバを用意して StatusNet をインストールすれば、同窓生同士で連絡するためのミニブログを作ったり、自社製品の顧客専用のミニブログサイトを立ち上げたりもできる。自分でサーバを用意するのが面倒という場合は、StatusNet の開発元であるカナダの StatusNet Inc. にホスティングしてもらうことも可能だ。この辺については以前の日記でも書いた。

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また、StatusNet を使った一般ユーザ向けのサービス (サイト) として Identi.ca も用意されている。こちらは Twitter と同じように、アカウントを作れば無料で使うことができるようになっている。
今回の StatusNet 公式クライアントも、StatusNet で運営されているミニブログであればどこにでも接続可能になっている。実際に、上図右では、「俺様専用ミニブログ」(StatusNet Inc. のホスティングサービスを利用して以前作ったもの) に接続して投稿やタイムラインのチェックを行っている。
Web サイトを見ると、現時点ではデスクトップ版のみだが、iOS/Android 向けのモバイル版も開発中らしい。

Titanium とは

StatusNet が今回クライアント開発で使用しているのが、アメリカの Appcelerator が開発している Titanium というフレームワーク。以前、@IT に紹介記事が掲載され、はてなブックマークの「注目エントリー」にも入っていた。
Titanium は、HTML と JavaScript などのスクリプト言語を組み合わせてスタンドアロンアプリケーションを作るためのフレームワークで、基本的な考え方としては Adobe AIR、古くは Windows の HTML Application (HTA) や IBM SashXB と同じものだ。
デスクトップアプリを開発するためのバージョンである Titanium Desktop とスマートフォン向けを開発するためのバージョンである Titanium Mobile が用意されており、今回 StatusNet が開発しているクライアントも、この 2 つのフレームワークを使用している。以前の記事でも紹介したように、単一のソースから Mac OS X/Linux/Windows 向けのパッケージをビルドすることができ、StatusNet のクライアントが最初から複数プラットフォームに対応できたのはこの Titanium のおかげと言っていいかもしれない。
Appcelerator のビジネスモデルには、StatusNet のそれと共通するところがある。Titanium もまたオープンソースで開発されており、無料で使い始めることができる。一方でサポートやコンサルティング等のサービスが有償で提供されている。