特発性正常圧水頭症

たまたま見た「ためしてガッテン」でやっていた話。さっきテレビのチャンネルを変えたら再放送をやってて、また見てしまった。


いくつかのタイプに分かれる認知症のうち、脳の内側にある脳室で脳脊髄液が作られすぎてしまい、内側から脳を圧迫することで起こるものを、特発性正常圧水頭症というらしい。原因は判明していないものの、手術でパイプを埋め込み、脳脊髄液を適宜抜けるようにすることで、症状を大幅に改善できるということだった。
認知症を発症していた僕の祖母がつい 2 週間ほど前に亡くなったばかりなので、番組を見て「もしかしたら祖母もこのタイプの認知症だったのではないのか。もっと早く知っていたら……」 と思わずにはいられなかった。実際には、認知症全体のうち特発性正常圧水頭症はあくまで一部であり、また、仮に該当しても手術で必ず完治するというわけでもなさそうなんだけど、番組中で実際に患者さんの処置前後の様子を紹介していて、まるで別人のような回復ぶりを見てしまうと、「その魔法にすがりたい (すがりたかった)」という感情に囚われてしまう。
なんか、介護疲れから新興宗教に嵌っちゃう人の気持ちが少しわかった気がする。無力さを感じている人間にとって、「すべてを解決してくれるかもしれない何か」 って甘美に過ぎる。それが確実な方法でなかったとしても。