改元の時期

ネットで時々、「エンジニア的には 1 月 1 日から新元号に切り替わるのが嬉しい」みたいなのを見かけるけど、個人的には「えっ、冗談でしょ?」と思ってしまう。


現在使われているプログラムのほとんどは、和暦のうちせいぜい明治以降しか考慮されていない。コンピュータが一般に使われるようになったのは昭和末期で、当時生きていた人たちの誕生日はまず間違いなく明治以降だったからだ。

そして明治以降、年の切り替わりと同時に改元した例がないので、そうなった場合に正しく処理できるかはテストされていない。

例えば、あるプログラムは各元号の開始年月日を西暦で持っていて、一年のうちそれより前は旧元号、という考え方になっているかもしれない。この場合、一年の中に旧元号が 1 日もなくても正しく処理できるかは、細かい部分の設計と実装がどうなっているか次第だ。

「今後の元号で急にそうなった場合のために、今のうちに検証しておくのだ」という趣旨ならわかるけど、「1 月 1 日に切り替わった方がエンジニアはテストが楽に違いない」みたいな言い方を見ると、一般の人とエンジニアで見方が違うものだなあと感じる。