とっくに来てた、64 ビット時代

知識がなさすぎて今更ビックリした、という話。

背景

自分にとっての経緯を先に書くと、いま使っている MacBook Pro を買ったのが 2008 年秋のこと。購入時にお店でメモリを 4GB に増設してもらって、Boot CampWindows Vista の 32 ビット版を入れた。

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その 1 年後、実は Vista がメモリ 4GB をフルに使えていなかったことを知った。いわゆる「3GB の壁」というやつにぶつかっていたためだ。

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もっとも、Mac OS X の方は 32 ビットで動かしていても 4GB をちゃんと使ってくれるそうで、以降これまで快適な生活を送ってきた。さすがに最新機種と比べたら 3D グラフィックの性能なんかは負けるけど、メモリが足りなくて困るというのはほとんどなかった。あえて言うなら、VM を使って Linux を動かそうとした時くらいか。
まぁそれでも日常では何の問題もなかったし、4GB もあれば当分安泰ですよ、どうせ世間の一般庶民の皆さんはせいぜい 2GB とかでしょ、それに比べたら余裕ありまくりですよガッハッハ、くらいの気持ちでいた。

事件発生

先日、仕事が午前だけで終わり、真っ昼間に帰宅した日があった。翌日も休みだし、なんだか小学校の頃の土曜日みたいで (僕が小学生だった頃は、土曜日にも午前中だけ授業があった)、気持ちに余裕があるので、ちょっと寄り道しながら帰ってみることにした。普段入らない店に入ったり、普段歩かない通りを歩いてみたり。その途中、家電量販店の、いつもは見ない PC 売り場も見てみようと思った。
いつもは見ない、というのは今の環境に満足しているからなんだけど、しばらくうろついているうちに、ちょっとデザインのかっこいい機種を見つけた。搭載しているメモリは 8GB。……8GB だって?
正直驚いた。OS は当然 64 ビット版の Windows 7。時の流れを感じた。家電量販店にも 64 ビット OS が顔を出すようになったのか、と。そこでふと隣の機種を見ると、こちらはメモリ 4GB と書いてある。4GB か、よかった。こっちは 32 ビット……いや、待て。「3GB の壁」を超えた状態で売られているということは……慌てて確認すると、OS はやはり 64 ビット版。
嫌な予感がする。
うろたえながら、売り場内の PC を片っ端からチェックする。

初期搭載 4GB (最大 8 GB まで増設可能)

初期搭載 4GB (増設不可)

初期搭載 2GB (最大 4GB まで増設可能)

初期搭載 4GB (最大 16GB まで増設可能)

初期搭載 8GB (最大 16GB まで増設可能)

……バ、バカな……。32 ビット機が! 32 ビット機がない! デスクトップだけならまだしも、ノートPC、というか俗に言うウルトラブックですら 64 ビット版じゃないか。まるで「ある日気がついたら、自分以外の街の住民が、みんな宇宙人に入れ替わってた」みたいな気分だ。
あまりのショックに涙はとどまることを知らず、家電量販店の床にうずくまる僕を、店員が励ましながらエレベーターまで見送ったという噂である。

それにしても

何が恐ろしいって、「まだ 64 ビット版が主流になるのは先だろう」と油断していた自分が一番恐ろしい。
僕が買った 2008 年のノートですら標準で 2GB 載っていたのに、順当にスペックが上がっていくとしたら、そもそも 4 年間も 32 ビット OS で収まるはずがなかったのだ。この調子でいろんな変化を見逃していったとしたら、例えば定年を迎える頃には世間との乖離がどれだけひどいことになるのだろうか。
今回はたまたま売り場に行って気付いたからいいけれど、そうでなければ、仮にもコンピュータ関連の技術者として暮らしているにも関わらず、来年も再来年も「ウチはメモリ 4GB あるからまだ余裕ですね」みたいなことを偉そうに語ってしまっていたかもしれない。そういうことが一度でもあると、周りの人に「こいつわかってないな」と思われてしまい、評価が下がり、給与は減らされ、職を失い、はたまた近隣の住民にまで被害が及び、田畑が荒れ、米不足となり、タイ米が流通します!!

結論

チャーハンにしましょう。