大逆転裁判 2

※LINE BLOG に置いていた過去記事 (2017/10/02) を、同サービス終了のため引っ越し。

発売日直後〜8 月 28 日頃まで。ダウンロード購入でプレイ。

Nintendo 3DS 向けで発売された、推理モノのアドベンチャーゲーム。明治時代に弁護士として大英帝国渡航した大学生・成歩堂龍ノ介が、異国の法廷で事件を解決する。

ストーリーは 2015 年の前作『大逆転裁判』からの続きになっていて、シャーロック・ホームズら主要人物も引き続き登場する。これまで未解決だった謎や伏線が一気に解き明かされていくので、前作での消化不良が不満だった人にこそおススメしたい。

イギリスが舞台になっているところや、キャラクターのデザイン、裁判中のシステム (「陪審員裁判」や「ちょっと!」) は、2012 年の『レイトン教授 VS 逆転裁判』から引き継いでいる。『逆転裁判 4』の後、巧舟さんがストーリーを書いている逆転裁判はこれら 3 作で、『逆転裁判 5』『逆転裁判 6』や『逆転検事』シリーズでは外れている。僕は『5』が全然肌に合わなかったので、『6』も『検事』もやらずに来ているんだけど、『レイトン VS』と『大逆転』シリーズは楽しかったので、この系譜でまた新作が出てほしい。

ただ……ネットで本作の評価がいい理由は、怒涛の展開が続いて一気に謎が解明されていったことが大きいようだけど、見ようによってはちょっと詰め込み気味でもあるし、なんなら登場人物がセリフで一気に『あれは実はこういうことだったんだ』と喋ってしまうこともあった。また、逆転裁判というと毎回 BGM が新しくなっていたと思うけど、今回は BGM や 3D モデルなどのアセットも、プログラムも、かなり流用されていた。僕は別にプレイ中にそれが嫌だったりは全然しなかったんだけど、裏事情を考えてしまう。

他社とのコラボである『レイトン VS』が好成績で、近いシステムと舞台を使った新シリーズとして『大逆転裁判』シリーズを立ち上げ、たぶん三部作くらいで計画していたところ、謎や伏線が未解決のまま残ったことが前作で不評だったため、急遽 2 作目で全てをたたまざるを得なくなった、という流れなのではないか。前作の評価を考えて会社は予算を付けたがらないだろうから、プログラムやアセットは極力前作のものをそのまま使うことにして費用を浮かし、なんとかゴーサインが出た、とか。ほんと完全にただの想像なんだけど。

勝手な心配はともかくとして、自分がプレイした感想としては、十分楽しめて満足できた。前作時点で雰囲気とか BGM とかだいたい気に入っていたので、すっきりした結末を迎えられたことが嬉しかった。以下箇条書きで細かいところ。

  • テキストはいつもの逆転裁判で安心
  • 謎解きの難しさがちょうどよかった。何度か、もうダメかと思ってこまめにセーブしながら進んだけど、ギリギリセーフだった
  • ガス代をケチるためにインチキをする市民の話が出てくる。これは今作オリジナルじゃなくて、当時の様子を反映しているのかな。興味深かった
  • トバイアス・グレグソン刑事のテーマ曲は、前作でどう感じてたか思い出せないけど、今作プレイ中「なんかこれいい曲だな。グレグソン刑事に合ってるなー」と感じた。グレグソン刑事もいいキャラクターだなー。と思ったら突然グレグソン刑事が舞台から降りてしまい、深い悲しみに包まれた
  • 赤毛連盟の 2 人組は前作のティンピラー兄弟に似ているが、弟分のド・ジッコが可愛い。兄貴に懐いてんなー
  • エブリデイ・ミテルモンのモーションがなぜか気に入った。なんなんだあの印を結ぶみたいな珍妙なモーションは。BGM『牢獄の番人たち』を聴く度にあれを思い出してニヤついてしまう。このモーションは何か元ネタとか着想の元になったものがあるんだろうか。ゼロからだとしたら発想すごい
  • テルモンのモーションと言えば、首ガクガクも驚いた。「刑務所長に首元を掴まれて揺さぶられるモーション」があって、ふつうは、隣に所長を置いて、「ミテルモンの首を掴んで揺さぶるモーション」を再生するという、2 つで 1 セットの作り。ところが、話が進んでから、ミテルモンが反論に出て「ほら、いつものように首をガクガクしてみろよ!」みたいなことを言うシーンがあって、そこではミテルモン側だけモーション再生することで、ミテルモンが首元を差し出して自ら体を揺らし、挑発している様子に見せていた。こんな演出の仕方もあるのかと、びっくりした
  • 最後の共同推理で、ホームズが本気を出すところ。どうもこういうの好きみたいだ。普段かっこよくない感じのキャラクターが、かっこいい真の実力を露出させてくる展開。自分にないものだから憧れちゃうのかな。このシーンの BGM はいつものとは違ってて、別の人たちがする共同推理には別のスタイルというのが強く印象付けられた。1 回しか使われないからその意味ではコスパ悪いんだけど、演出として考えるとかなり効果的で、ここにお金かけようという判断は正しかったと思う。と書きながらサントラでこの曲を聴き直してみたら、ホームズを表すバイオリンと、相棒を表すタップダンスの音を合わせてるのか。今更だけど、曲名『相棒 〜The game is afoot!』をちゃんと表現してるんだな……
  • 前作のサントラは、確か、夜中に長距離歩いてた時にふと聴きたくなって、暇つぶし込みで iTunes で買った。今回のサントラも iTunes で購入。よく見ると、最後の裁判ラストあたりからエンディングまでで 6 曲くらいある? 多くない?

[2023-02-18 追記] 2023 年 2 月時点では、大逆転裁判 1 と 2 をセットにしたソフトが Switch や PS4 で発売されているようだ。