ピクセル

※LINE BLOG に置いていた過去記事 (2017/07/16) を、同サービス終了のため引っ越し。

2017/04/12〜15、NETFLIX で視聴。

宇宙人がゲームキャラを立体化させ、地球に攻めてきた。光エネルギーで姿を得ているゲームキャラは、通常兵器ではダメージを与えることができない。同じように光エネルギーを使った武器なら効くものの、撃退するには、宇宙人の挑戦状に乗って原作ゲームと同じルールで戦わなければならない。主人公のサム達は、アーケードゲーム大会でトップクラスであった過去のテクニックと知識で、宇宙人との戦いに挑むことになる。

サム達が参加した 1982 年のゲーム大会で、記念に惑星探査機に載せたプレイ映像を、宇宙人が戦線布告と誤解して地球への侵略を始めた、という設定。そのため、本作で宇宙人が立体化させるゲームたちも、1982 年当時遊ばれていたものになっている。

僕は当時のゲーセンがどうだったかは知らず、知らないゲームのキャラクターがかなり多かったのも確か。ただ、そこから考えてみると、ゲームというものが日常生活に加わり始めたばかりのこの頃を記憶している人たちが、「懐かしのゲームキャラが実体化して攻めてきた!」みたいな映画を作れるのは、たぶんあと 10 年か 20 年かしかないはずで、今のうちに作ってくれてありがとうと言いたい。

メインの見せ場はゲームのキャラや内容が現実世界内にボクセルで再現されている様子そのもの。観終わった今、他のゲーム (1982 年以外も含めて) のも見てみたいと感じる。あと、本作はあくまで一般観覧者向けなので、ゲーム好きな人向けに小ネタとか解説とかをもっとギチギチに詰め込んだバージョンも欲しい。

本作で目立って扱われているゲームのひとつにパックマンがある。彼は、本作 (2015 年) の前年にも、スマブラのプレイアブルキャラクターとして登場している。未見だけど、確か今年、仮面ライダーエグゼイドの映画にもパックマンが登場していたはず。この露出の高さは何だろう。純粋に有名だからということもあろうし、ナムコが知的財産の活用に積極的だからと言うこともあるのかも。Wii くらいから任天堂がレトロ IP を再利用していて、新たに認知されることでその IP がまた現役復帰するという流れを作っている……と思うんだけど、ナムコもその様子を見逃していなくて、その結果パックマンが現代でもまた有名キャラクターとして蘇っているのだ……と思う。

パックマンに関して言うと、やられた時の SE が本作でも何度か使われているんだけど、これが心地よい。レトロゲーって、当時まだ何もない荒野に作品を作っていく時代だったわけで、何をやってもオリジナルになりやすい状況だったので、その意味では現代の作品に比べて有利ではあるんだけど、それにしたってこの SE は今でもパックマンのものとして強く記憶されていて、しかも心地よい。定番の制作理論ができる前の時代に、ちゃんと心地よい SE を作った人は凄いね。マジ心地よい。

エンディングで、本作全体のダイジェストがドット絵映像で流れた。ドット絵にもいろいろな作風がある中で、この映像のが何に似せたものなのかはよくわからなかったけど、各シーンを忠実に再現していて面白かった。まだ観たばかりなので、実写映像とドット絵のを脳内で比較しながら楽しめた。

例によって吹き替えに日本語字幕がついた状態で観てたんだけど、主人公のライバル役で神谷明さんが声を演じていて、「お前はもう死んでいる」とか「アタタタ!」とか言っていた。とか、と言っても、僕が気づいたのはこの 2 ヶ所だけなんだけど。観客の年齢層を考えて入れてくれたプチサプライズというところか。誰が考えたのか知らないけど、思惑通りニヤッとさせられてしまった。

主人公の声は、エンディング後に表示されてびっくりしたんだけど、柳沢慎吾だった。懐かしいな! 元の役者と違ってゴツイ人ではないし、棒読み気味でもあったので、たぶん字幕より吹き替えを見た人の方が「この主人公頼りないな」と感じたのではなかろうか。柳沢慎吾の面白さはやっぱり本人が出てきてナンボという気がするんだけど、あえてのこの人選はやっぱり、映画館に呼び込みたかったメインターゲットが「柳沢慎吾が吹き替えと聞いて気になっちゃう年代」、ということかな。つまり僕とか。

そうそう、大統領夫人として、『アンブレイカブル・キミー・シュミット』のジャクリーン・ボーヒーズ役の人が出てた。お金持ちの奥様役がほんとバッチリ似合うなー。