Horizons (Wikipedia英語版から)

オンライン百科事典 Wikipedia には、MMORPG "Horizons: Empire of Isteria" についての解説が載っている。今回、このうちゲーム内容に関する部分を日本語に翻訳してみた。うまく訳せたら Wikipedia 日本語版に持っていくつもりだったのだが、うまく訳せなかった (というか、ひどい翻訳になった) のでここに置いておく。

(この翻訳について)

Wikipedia "Horizons: Empire of Istaria" 14 September 2006-09-14 17:31 UTCより翻訳。著者:Peter1968、Boneyard、Lkinkade、Sydius、Fosnezほか

この翻訳の著作権GNU Free Documentation Licenseに準じる。

Horizonsとは

Horizons: Empire of Istariaは、多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲーム (MMORPG) のひとつ。Artifact Entertainmentが開発し、2003年12月5日にヨーロッパで、2003年12月9日に北米でリリースされた。Tulga Games, LLC が2005年1月25日にゲームおよび関連資産すべてを買収したが、2006年7月にEI Interactiveへ譲渡されている。

古くからある「剣と魔法」の世界として設定されており、プレイヤーは冒険者や職人、あるいはその両方になることができる。また、プレイヤーを含む「生ける種族」と、すべての生命を破壊しようと目論むアンデッドの軍団「Withered Aegis」との抗争に焦点が当てられている。

概要

Horizonsでは、多くの RPG に見られる種族・クラス・レベルという概念を用いているが、特徴的な点もいくつかある。その第一に、プレイヤーの種族として、ドラゴンか人型の種族が選べる。後者には、ヒューマン (human)、エルフ (elf)、ドワーフ (dwarf)、ノーム (gnome)、ハーフジャイアント (half-giant)、ドライアド (dryad/妖精)、サテュロス (satyr)、フィーンド (fiend/青い肌、角、尾を持つヒューマノイド)、サリス (saris/猫のようなヒューマノイド)、スリック (sslik/爬虫類系のヒューマノイド) がある。

ドラゴンは「school」(スクール。他のゲームでいう「クラス」に相当) を選ぶことができず、全員がDragon Adventurerおよび Dragon Crafterのスクールに属する。ただし、大人のドラゴンになると、Rite of PassageおよびAncient Rite of Passageを通じて成長する中で、Lunus (ファイター) と Helian (マジックユーザー) のいずれかの生き方が選ばれるようになる。子供のドラゴンが育つと、Rite of Passage (通過儀礼) を経て大人のドラゴンになることができる。完了すればドラゴンは成長し、体躯は大きく、力が強くなり、防御力が増し、空を飛べるようになる。大人のドラゴンが育つと、今度はAncient Rite of Passage (古えの通過儀礼) を受けることができ、Ancient Dragonへと変化する。ここでも体躯は大きく、力が強くなり、防御力が増し、より速く飛べるようになり、蘇生の能力やその他の利点を得ることができる。

人型の種族は、冒険系スクール (adventuring school) ひとつと、生産系スクール (crafting school) をひとつ選択する。前者にはWarrior (戦士)、Mage (魔術師)、Cleric (僧侶)、Scout (スカウト) など、後者にはBlacksmith (鍛冶職人)、Miner (採掘者)、Jeweler (宝石職人)、Outfitter (装身具職人)、Scholar (学者) などの種類がある。なお、人型の種族はいつでもトレーナーのもとを訪れ、ペナルティなしにスクールを変更することができる。例えば、Blacksmith から Outfitter、あるいはその逆に切り替えて、亜麻を採集したり衣類を製作したりして、それぞれのスクールを伸ばしていくことができる。

これには、色々なことを試したいプレイヤーが複数のキャラクターを作らなくても行えるようにという意図がある。

以上に加え、冒険系と生産系のそれぞれに「prestige」(上級) のスクールが用意されている。冒険系では Chaos Warrior、Elemental Archer、Paladin、Battle Mage、Flame Disciple などがある。生産系では Armorer (防具職人)、Spellcrafter (魔術書職人)、Weaponsmith (武器職人)、Mason (石工)、Alchemist (錬金術師) などがあり、特定の basic (基本) スクールが一定のレベルまで育たないと加入できない。上級スクールは、基本スクールに比べて分野としては狭まるが、その専門においては能力が向上する。

このようになっているのは、プレイヤーが生産のみに集中したい場合に、冒険系スクールを育てなくても生産系スクールを成長させることができるようにするためである。ただし、多くのアイテムは製作時に、危険なエリアで倒したモンスターから得られる素材を必要とする。したがって生産職人は、素材を冒険を行っているプレイヤーから買い上げたりギルドメイトや友人から譲り受けなければならないだろう。一方で、プレイヤーは冒険のみに集中し、装備については自分で製作する代わりに、他のプレイヤーとの売買や、ギルドメイトや友人からの支援によって入手する、ということも可能である。

プレイヤー対プレイヤーの戦闘

本作は長らくプレイヤー対環境 (PvE) のみとなっていたが、2006年の1月と2月に、プレイヤー対プレイヤーの戦闘 (PvP) が限定的な試験として追加された。PvPに参加するには、Dalimondの北東にあるSpireと呼ばれる施設まで赴く。その屋根にあるテレポーターを調べると、料金を払ってテレポーターに入り、PvPの実施されるIsles of Battleへと運んでもらうことができる。

PvPの追加は、プレイヤーやファンの間で反応が大きく分かれることになった。賛成派は「PvPがない限りこのゲームは不完全」と堅く信じており、一方で反対派は「開発リソースは新規コンテンツの追加や現在ある課題の解決に振り向けた方がよい」と主張した。また、生ける種族 (プレイヤー側) と Withered Aegis の勢力 (環境側) との衝突こそがHorizons世界の真髄であり、PvPはその一部ではないと考えるプレイヤーもいた。

生産

Horizonsの経済はプレイヤーによって成り立っている。武器、防具、道具、装備品、薬品、魔術書といったものから、プレイヤーを回復する食品類に至るまで、ほぼすべてがゲーム内で作られたものである。いくつかの特殊なアイテム (2005年春に増えた) や入門者向けの初級装備のみ、プレイヤーの手によるものではない。キャラクターを育てたい冒険者や生産者は装備を購入する必要があるが、その入手方法は大きく分けて2つ。プレイヤーから直接入手するか、委託販売ショップから入手するかである。委託販売ショップには、他のプレイヤーから売りに出された装備品が並んでいる。ここから購入すると、売った側のプレイヤーに支払いが行われ、(オンラインにいれば) 通知される。すべての生産者は、アイテムの作成に素材を集めなければならない。例えば、革製品を作るには、鉱石や宝石を採掘したり、木を切って木材を手に入れたり、動物の革をはぐ必要がある。

また、「technique」(テクニック/技巧) というシステムがあり、防具、装飾品、道具、魔術書などに能力を追加して、スキルや能力値、能力を向上させることができる。さらに、自分で店を開き、製作したアイテムを売ることもできる (「土地の所有」を参照)。

土地の所有

Horizonsでは、プレイヤーが土地の区画 (plot) を購入し、建物を建てることができる。例を挙げると、現実の都市計画と同様に、商業施設が許可された地域では、購入した区画に店を開けるようになっている。地域には、各種の家・木・壁・噴水などを設置できるResidental (居住区)、質屋・委託販売店・賭博室・酒場・保管所などを設置できるCommercial (商業区)、倉庫や各種の生産機械店を設置できるIndustrial (工業区) がある。Horizonsには最初に訪れるものも含めて様々な街があり、1〜2区画しかない小さな村落があるかと思えば、プレイヤーやギルドが所有する巨大な都市もある。区画の代金は、銀貨数枚というものから金貨10枚といったものまであり、帝国 (Empire) に買い戻させたり、他のプレイヤーに売りに出したりすることもできる。

ドラゴンを選んだプレイヤーは、あちこちに点在する洞窟を購入して、その下に複雑な何階層もの巣穴を掘ることができる。

区画を所有したい場合は、まず売りに出されている区画を探し、購入する必要がある。区画マーカーは小さな墓石のような形をしており、区画が売りに出ている場合にはその上に白い旗が浮かぶ。マーカーをクリックすると、その区画についての詳細を知ることができる。土地を所有すると、その地域に応じた建築物のための土台を設置することができる (これは、区画マーカーをクリックすると表示されるウィンドウで行える)。土台の次は、建物のための建築資材が必要になる。Carpenter (大工)、Enchanter (エンチャンター)、Fitter (配管工)、Mason (石工)、Weaver (職工) といった生産系スクールがあれば、建物のための生の素材を生成し土台に据え付けることができる。

これらのスキルを自分で持っていない場合は、各スキルを持った他のプレイヤーが建設を請け負ってくれるかもしれない。よくある理由としては、お金のためであるとか、ギルドのメンバーだからといったものがある。

また、Guild Plots (ギルド区画) と呼ばれる特殊な区画が街の一部を構成している。この区画はギルドのみが購入可能で、ギルドマスターが所有する masterplot と、やや小さい satellite plots に分かれている。satellite plots は、そのギルドのメンバーしか購入できない。

イベントと伝承

Horizonsのスタッフはイベント駆動型のストーリーラインの確立を続けている。ゲーム内の伝承はゲーム内の歴史を扱ったものであり、時には新しいイベントの元となる。これまで行われたイベントはすべてこれに該当する。本作は当初、毎週イベントを実施する予定だったが、2004年5月以降は2〜3週間に1回と少なくなり、サーバ統合以降はまったく行われなくなってしまった。これらのイベントには冒険者が参加できるようなものも生産者が参加できるようなものもあったが、両者が同時に参加できるものはめったになかった。実施されたイベントは、新エリアへ行くためのトンネル採掘や橋の建造であったり、手ごわいWithered Aegisの勢力が既存の街へ侵攻してくる、あるいは逆に占領された街の解放を行うものであったりした。2つの追加プレイヤー種族(ドライアドとサテュロス)を追加するのにイベントが使用されたこともある。