Pixel 3 の感想

Google 製の Android スマホ、Pixel 3 を買った。届いてからだいぶたったので、感想を書く。

経緯

3 キャリアで 1 回線ずつ契約していて、

という状態になっていた。さすがにもったいないので、通話に使っていない au を解約し、ドコモを Android に変えることにした。

ちょうど Pixel 3 の発表会があったので、SIM フリー版の受付開始後すぐに注文した。

事前に来たメールでは 11/7 以降に届く予定になっていたけど、実際には少し早く、11/5 に届いた。

その後 au も解約したんだけど、実はまだ自宅では Galaxy S7 Edge を Wi-Fi で使い続けている。

比較してみて感じたことを、以下に書き留めてみたい。

よくなったところ

OS のバージョン

OS は、Android 9 Pie になった。Galaxy S7 Edge の Android 8 Oreo から 1 世代進んだ。

新機能はほとんど使ってないけど、夜になると自動でブルーライトフィルタが有効になる機能は試している。

性能

まだあまり実感できていないけど、フォアグラウンドのアプリを切り替えるとき、今までよりスムーズに切り替わってる印象がある。

ベンチマークの定番である 3DMark で測定したところ、グラフィック性能も上がったようだ。

カメラと AR

Pixel 3 独自の機能というとカメラ周りだと思うけど、僕はふだん写真を撮らないので、活用できていない。

AR で、撮影中にマーベルヒーローなどのキャラクターを召喚できる機能は一度だけ試した。「うわあ、我が家にアイアンマンが!」というのは楽しいことは確か。

あと、同じく AR で、子犬もかわいい。召喚したキャラクターは、カメラの方に目線を送ってくるので、あたかも子犬が目の前にいてこちらを認識しているような気分がして、バーチャルペット感があった。

アプリとカスタマイズ

Galaxy S7 Edge には Samsung 独自のアプリが多数入っていて、使わない僕には邪魔なだけだったんだけど、Pixel 3 では解放された。

Samsung は独自のストアを提供していて、そこからアプリや壁紙、システムフォントを入手できるんだけど、その分デフォルトで用意されている壁紙が少なかったりした。Pixel 3 は最初から数種類用意されていて、個人的にはこの方がありがたい。

ディスプレイ

Galaxy S7 Edge といえば、画面の左右端が奥へカーブしていて、そこをスワイプするとアプリや連絡先のショートカットを呼び出せるんだけど、僕はその機能を使っていなかった。むしろ画面が曲がっているために保護フィルムが貼りづらくて、この曲面いらんなと思っていたので、Pixel 3 の平らなディスプレイは歓迎だ。まだフィルム貼ってないけど。

よくなったところのまとめ

全般的に、すごくよくなった! というところはそんなになかった。Galaxy S7 Edge もフラッグシップ寄りのモデルだし、最近のスマホはもう進化しきっちゃってるから、というのもある。

Pixel 3 には「シンプルで高性能な Android 端末」を期待して買ったこともあって、正直「うわー、どこ見ても Pixel 3 サイコー❤」みたいなテンションではない。

気になった点

これ前の方がよかったのではというところが、いくつかあった。

Pixel 3 がよくないというよりは、Galaxy S7 Edge を再評価したポイントとか、新しい世代の機種になって変わった点と言ったほうが正確かもしれない。

フォント

最初に気になったのはシステムフォントで、Galaxy S7 Edge は独自に用意された商用フォントがプリインストールされていて、解像度も高いせいか表示が綺麗で、印刷物に近い印象だった。

Pixel 3 も綺麗ではあるんだけど、特に漢字で、線がかすれたり潰れたりしているように見えることがある。フォントがよくないのか、レンダラがよくないのか、ディスプレイの解像度のせいなのか。

ヘッドフォン端子

専用の端子がなくなり、USB-C だけになった。

Apple がヘッドフォン端子をなくしてから何度も言われてることだと思うけど、充電と同時に使えないのが困る。

また、僕は普段、気に入ってるヘッドフォンを、Galaxy S7 Edge に挿したり、iPhone 6s に挿したり、Macbook Pro に挿したりと、挿し換えまくってるんだけど、Pixel 3 に挿すには付属の変換コネクタを挟む必要がある。自宅にいる時ならまだマシけど、変換コネクタを持ち歩くのは面倒だしなくしそうだし。

Pixel 3 には USB-C 用のヘッドフォンも付属するので、Pixel 3 ではこれを使えばいいかとも思ったんだけど、普段聴いてる podcast を試したら、AM ラジオかと思うくらい音がくぐもって聴こえた。ただの付属品だから性能がよくないのか、僕のつけ方が悪かったのか、音源との相性が悪かったのか。

挿し替えの手間を今と同レベルにするには、たぶん、iPhoneMacbook も買い替えて、USB-C に揃えるしかない。

ディスプレイのアスペクト比

Pixel 3 のディスプレイは、縦 2160✕横 1080 なので、縦 2 : 横 1 の比率。なかなか細長い。

これは一般的な動画の 16:9 や 16:10 より細長いので、Pixel 3 で動画を観る場合、両端が何も映らない黒塗りの領域になる。

そうやってディスプレイの一部が使われなくなった結果、5.5 インチの Pixel 3 と 4.7 インチの iPhone 6s とで、再生時の大きさがほぼ同じになっている。

これまで、動画や電子書籍 (とくに漫画) には少しでも画面が大きな Galaxy S7 Edge を使っていた。Pixel 3 を買うとき、深く考えずに「5.5 インチもあるんだから、多少細長いとはいっても、iPhone 6s よりは大きく見えるだろう」と思ってしまったけど、ディスプレイのサイズ (対角線の長さ) じゃなくて横幅をきちんと見ておくべきだった、ということかな。

Android 9 Pie

ディスプレイ下部の物理ボタンがなくなった。

Android に限った話じゃないけど、物理ボタンの排除って、いいことなんだろうか。ふちを細くするのが流行ってるからやむを得ず?

少なくとも Android が出たての頃って、「iPhone と違って、よく使う操作が物理ボタンになってて Android の方が使いやすい」みたいに言われてなかったっけ。

デフォルトのランチャーも変わった。アプリ一覧からページの概念がなくなり、すべてのアプリがひとつの長いリストで表示される。順番はアプリ名によって決まり、並び替えることもできないようだ。1 行に 5 つのアイコンが並び、アプリを 1 つ入れたり消したりする度に、それ以降のアプリがずれる。

アプリ一覧でもうひとつ、アイコン下のアプリ名が、Android Pie では全角 4.5 文字分までになっている。長い場合でも 1 行しか表示されず、2 行目はない。

4.5 文字を超えると、先頭 3.5 (または 3) 文字分の後ろに「…」がつく表示になってしまう。「メッセージ」や「カレンダー」でもアウトだ。Google 製のアプリでも、この影響を受けている。

以上 2 点の結果として、いつも使っているアプリがどこにあるか、さっぱり覚えられなくなった。

どこにあるかわからないアプリを、一覧をスクロールしながら、アイコンの絵柄を頼りに探さなければならなくなっている。Google の社内で「アプリアイコンかるた」でも流行ってるんだろうか。

Suica

FeliCa を搭載して Suica も使えるようになった Pixel 3 だけど、感度はあまり良くない感じがする。

カバーがよくないのかもだけど、自分の体感では、改札をスムーズに通れる度合いで言うと、こんな感じ。

  • 1 位: 普通の Suica (IC カード)。一瞬のタッチで OK
  • 2 位: Galaxy S7 Edge。ちゃんとタッチすれば OK
  • 3 位: Pixel 3。しっかりタッチ。たまに反応しなくて、何度かやり直すことになる

買ってすぐの初期設定からして、あまりうまくできなかった。

最初、モバイル Suica のアプリをインストールして引き継ぎの操作をしたら、金額がちゃんと表示されたので、この時は、「お、意外とスムーズにいくものだ」と思った。

ところがその後 Google Pay のアプリにも連携させようとしたら、なぜか認識されず、モバイル Suica の新規会員登録を促された。

おかしいなと思いつつ、数日後に駅の自動改札で使おうとしたら、改札に認識されず、改札を通れなかった。

そこで、ダメ元で Google Pay のアプリを開いたら、いつのまにか Suica を認識してくれるようになっていて、連携させることができた。

そして、その後は無事に改札を通ることができた。

今となっては、本当に Google Pay との連携が必要だったのか、それとも実は反応が悪いだけだったのか、わからない。

ネットで調べてみると、Pixel 3 購入直後に FeliCa 自体が使えずエラーが表示されたという人もいるようなので、それよりはマシなのだろうか。